# 横隔膜
横隔膜(おうかくまく)は、胸腔と腹腔を隔てる膜状の筋肉であり、呼吸運動において最も重要な筋の一つである。ドーム状の形状をしており、吸気時に収縮して下降することで肺を拡張させる。
## 解剖と構造
横隔膜は腱中心(中央腱)と周囲の筋線維から構成される。筋線維は周囲の肋骨・胸骨・腰椎に起始し、中央腱に停止する。以下の主要な開口部が存在する:
- 大動脈裂孔(T12)
- 食道裂孔(T10)
- 下大静脈孔(T8)
また、横隔膜は[体幹](/term/core/)を構成する筋群の一つであり、[腹横筋](/muscle/transversus_abdominis/)、[多裂筋](/muscle/multifidus/)、[骨盤底筋](/muscle/pelvic_floor/)と協調して[姿勢保持力](/term/postural_control/)や腹腔内圧の制御にも関与する。
## 機能
- 主動的な吸気の遂行(呼吸筋としての機能)
- 腹腔内圧の上昇を利用した[バルサルバ法](/term/valsalva_maneuver/)などの実施
- [抗回旋力](/term/anti_rotation/)への寄与
- [体幹](/term/core/)安定性の向上
- 内臓の機械的支持
## トレーニングと意識化
横隔膜の機能を高めるには、呼吸筋トレーニングが有効である。具体的には以下の方法が用いられる:
- 腹式呼吸(ドローイン、ブレーシング)
- 呼吸抵抗器具を用いた筋トレーニング
- [パロフプレス](/term/pallof_press/)やファンクショナルトレーニング中の呼吸制御
## 臨床的意義
横隔膜機能の低下は、呼吸効率の低下だけでなく、[腰痛](/term/low_back_pain/)や[骨盤底機能障害](/term/pelvic_floor_dysfunction/)などの体幹不安定性とも関連するとされる。また、手術や外傷後のリハビリテーションでも重要なターゲットとなる。
## 関連ページ
- [体幹](/term/core/)
- [腹横筋](/muscle/transversus_abdominis/)
- [多裂筋](/muscle/multifidus/)
- [骨盤底筋](/muscle/pelvic_floor/)
- [姿勢保持力](/term/postural_control/)
- [抗回旋力](/term/anti_rotation/)
- [バルサルバ法](/term/valsalva_maneuver/)
- [パロフプレス](/term/pallof_press/)