小菱形筋
小菱形筋(rhomboid minor)は、肩甲骨を内側に引き寄せて安定させる深層筋であり、大菱形筋の上部に位置する。肩甲骨の安定性と適切な肩関節運動に不可欠な筋肉である。
解剖学的位置
- 起始:第7頸椎(C7)〜第1胸椎(T1)の棘突起
- 停止:肩甲骨内側縁の上部(肩甲棘の根元付近)
僧帽筋の深層に存在し、大菱形筋とともに機能する。
主な作用
- 肩甲骨の内転:肩甲骨を脊柱方向に引き寄せる
- 肩甲骨の下方回旋:腕の下制時などに内側縁を下に回す
- 肩甲骨の固定:動作中に肩甲骨が安定するように支持する
小菱形筋の機能的役割
- 肩甲骨の位置制御に関わるため、正しい姿勢や肩関節の安定性に貢献する
- 姿勢保持筋としても働き、猫背姿勢や肩甲骨の外転(巻き肩)を防止する
- 適切な肩甲骨内転により、肩関節インピンジメントの予防にもつながる
筋力低下・過緊張の影響
弱化による症状
- 肩甲骨の不安定化、翼状肩甲
- 肩の動作における不均衡、肩こり
- 背部の姿勢保持力低下
過緊張による症状
- 肩甲骨の過度な内転
- 首や上背部の筋緊張や痛み
- 過剰な筋膜の短縮による可動域の低下
トレーニングとケア
強化エクササイズ
- チューブロー(肩甲骨内転を意識)
- Tレイズ(肩をすくめずに肩甲骨を寄せる)
- フェイスプル(首をすくめないフォームで)
ケア・ストレッチ
- 肩甲骨を外転させる動き(両腕を前方に伸ばして背中を丸める)
- 筋膜リリースによる背部緊張の緩和
- デスクワーク時の姿勢調整
関連項目