# 肩甲帯周辺筋群
**肩甲帯周辺筋群(scapular girdle muscles)**は、肩甲骨と体幹・上腕骨を結ぶ筋肉群であり、肩関節の安定性・可動性を支える重要な役割を果たす。これらの筋群の強化と柔軟性の確保は、トレーニングの効率化や怪我の予防、姿勢改善にとって不可欠である。
## 肩甲帯とは
肩甲帯は、解剖学的には**鎖骨・肩甲骨・胸骨上部**から構成され、以下のような複数の関節と連動して機能する。
- 胸鎖関節(胸骨と鎖骨)
- 肩鎖関節(肩甲骨と鎖骨)
- 肩甲胸郭関節(肩甲骨と肋骨の間にある機能的関節)
- 肩関節(上腕骨と肩甲骨)
## 主な肩甲帯周辺筋群
| 筋名 | 主な機能 |
|------|----------|
| 僧帽筋(trapezius) | 肩甲骨の挙上・下制・内転・上方回旋 |
| 菱形筋(rhomboids) | 肩甲骨の内転・下方回旋 |
| 前鋸筋(serratus anterior) | 肩甲骨の外転・上方回旋、安定化 |
| 肩甲挙筋(levator scapulae) | 肩甲骨の挙上・下方回旋 |
| 小胸筋(pectoralis minor) | 肩甲骨の下制・前傾 |
| 広背筋(latissimus dorsi) | 肩甲骨の下制、上腕の伸展・内転 |
| 大円筋・小円筋(teres major/minor) | 肩関節の内外旋・安定化補助 |
## 機能的役割
- **肩関節の安定化**:肩関節は可動範囲が広い分、不安定であり、周辺筋群が安定性を確保する。
- **運動連鎖の起点**:プッシュアップ、懸垂、ベンチプレスなど上半身の複合動作の基礎となる。
- **姿勢保持筋**としての働きもあり、[姿勢保持筋](/term/postural_muscles/)と密接な関係を持つ。
## トレーニングの重要性
肩甲帯周辺筋群の強化は以下の目的で行われる:
- 肩こり・首こりの予防
- 肩の可動域と安定性の向上
- [肩関節インピンジメント](/term/shoulder_impingement/)の予防
- トレーニングパフォーマンスの向上(プレス系・プル系種目)
## 代表的なトレーニング種目
- フェイスプル
- スキャプラプッシュアップ
- スキャプラプルアップ
- バンドロー
- Y-T-Wエクササイズ
- 壁スライド
## 柔軟性・可動性の維持
- [筋膜リリース](/term/fascia_release/)(フォームローラー、ボール使用)
- ストレッチ(肩甲骨回し、胸筋のストレッチ)
- 呼吸と連動したモビリティドリル
## 関連項目
- [姿勢保持筋](/muscle/postural_muscles/)
- [筋膜リリース](/term/fascia_release/)
- [肩関節インピンジメント](/term/shoulder_impingement/)
- [バードドッグ](/term/bird_dog/)
- [筋緊張](/term/muscle_tension/)