# 解糖系

**解糖系**とは、グルコース(ブドウ糖)を分解して[ATP](/term/atp/)を生成する代謝経路の一つである。主に[無酸素代謝](/term/anaerobic_metabolism/)に分類されるが、[有酸素代謝](/term/aerobic_metabolism/)の前段階としても機能する。

## 概要

解糖系は、細胞質で行われる一連の化学反応であり、1分子のグルコースから2分子の[ATP](/term/atp/)と2分子のピルビン酸、ならびに2分子のNADHを生成する。

 グルコース → 2 ピルビン酸 + 2 ATP + 2 NADH


酸素が存在しない場合、ピルビン酸は乳酸に変換される。酸素が十分にある場合は、[ミトコンドリア](/term/mitochondria/)でさらに酸化されて多量のATPが生成される。

## 特徴

- 主に10秒〜2分程度の中強度〜高強度の運動で利用される
- 酸素の有無にかかわらず働くが、酸素がない場合は乳酸が生成される
- [速筋線維](/term/fast_twitch_fiber/)で活発に機能する

## 主な運動例

- 400m走、800m走
- サーキットトレーニング
- 高強度の[スプリントトレーニング](/term/sprint_training/)

## 酸化的解糖と嫌気的解糖

| 解糖の種類 | ピルビン酸の処理先 | 生成物 | 例 |
|------------|---------------------|---------|-----|
| 酸化的解糖 | ミトコンドリア(酸素あり) | CO₂, H₂O, 多量のATP | 長距離走 |
| 嫌気的解糖 | 乳酸(酸素なし) | 少量のATPと乳酸 | 高強度の短時間運動 |

## 解糖系と疲労

嫌気的条件下では乳酸の蓄積により筋内のpHが低下し、[筋収縮](/term/muscle_contraction/)に影響を与える。この状態がいわゆる「筋疲労」であり、解糖系を使う運動の制限因子の一つである。

## 関連項目

- [ATP](/term/atp/)
- [無酸素代謝](/term/anaerobic_metabolism/)
- [有酸素代謝](/term/aerobic_metabolism/)
- [筋収縮](/term/muscle_contraction/)
- [速筋線維](/term/fast_twitch_fiber/)
- [スプリントトレーニング](/term/sprint_training/)