# パッシブハング

**パッシブハング**(Passive Hang)は、バーなどにぶら下がり、身体を脱力させて重力に任せた姿勢を取るシンプルなトレーニングである。筋力トレーニングというよりも、**関節の牽引・リリース・柔軟性向上**を目的とした要素が強い。

## 主な効果

- 肩関節の**可動域の改善**
- 上腕骨の**牽引による関節包の緩和**
- 背骨・体幹の**伸展と緊張緩和**
- 前腕や指の**持久力アップの導入段階**
- 姿勢改善、猫背予防

## 実施方法

1. プルアップバーなどに両手で肩幅程度にぶら下がる
2. 肘を伸ばし、肩の力を抜いて身体を脱力する
3. 膝は軽く曲げてもよく、足は床から離れている状態が理想
4. 呼吸を深く続けながら、20〜60秒キープ
5. 2〜3セットを目安に実施

## フォームのポイント

- 手のひら全体でバーをしっかり握る(サムレスグリップも可)
- 肩が耳に近づくことは問題ない(力を抜くため)
- 呼吸を止めず、リラックスした状態を維持
- 手の皮膚や関節に過度な負担がかからないよう注意

## バリエーション

- **ワンアームパッシブハング**:片手で実施し、肩関節のモビリティ向上を狙う
- **足を支点にした半ハング**:完全にぶら下がるのが難しい人向け
- **可変グリップでのパッシブハング**:肩の外旋・内旋角度を変えて刺激

## 注意点

- 肩に痛みや既往症がある場合は慎重に行うこと
- 初心者は短時間(10〜20秒)からスタート
- 手が滑りやすいバーの場合はチョークやグローブを活用

## アクティブハングとの違い

| 項目             | パッシブハング          | アクティブハング            |
|------------------|--------------------------|------------------------------|
| 肩甲骨の動き     | 下制・内転しない(脱力) | 下制・内転を意識的に行う     |
| 筋活動量         | 少ない(ストレッチ寄り) | 多い(筋力・安定性向上)     |
| 主な目的         | 関節のリリース・柔軟性   | 筋力・制御力の強化           |

## 関連項目

- [アクティブハング](/term/active_hang/)
- [デッドハング](/term/dead_hang/)
- [肩甲骨エクササイズ](/term/scapular_exercises/)
- [柔軟性トレーニング](/term/flexibility_training/)
- [モビリティトレーニング](/term/mobility_training/)