ペプチドホルモン

ペプチドホルモン(peptide hormones)とは、アミノ酸が鎖状に連なった構造を持つホルモンの総称であり、体内の多くの生理機能の調節に関わっている。水溶性であるため細胞膜を通過できず、主に細胞表面の受容体に結合して作用する。

主な特徴

  • アミノ酸から構成される水溶性分子
  • 血液中に分泌され、標的細胞の受容体に作用
  • 細胞内に直接入らず、二次メッセンジャー系を介して効果を発揮
  • 作用が速く、持続時間は比較的短い

主なペプチドホルモンの例

ホルモン名 主な作用 分泌部位
インスリン 血糖値を下げる 膵臓(β細胞)
グルカゴン 血糖値を上げる 膵臓(α細胞)
成長ホルモン(GH) 成長促進、筋肉合成促進 下垂体前葉
エリスロポエチン(EPO) 赤血球の産生促進 腎臓
アンジオテンシンII 血圧上昇、血管収縮 肝臓(前駆体)、腎臓で活性化
バソプレシン(ADH) 腎での水分再吸収促進 下垂体後葉
オキシトシン 子宮収縮、母乳分泌促進 下垂体後葉

トレーニングとの関係

  • 筋トレなどの高強度運動は成長ホルモンやインスリン様成長因子(IGF-1)の分泌を刺激し、筋肥大や回復を促進する。
  • エリスロポエチンは持久力の維持・向上に重要な役割を果たすため、前腕持久力や全身持久力向上と関係する。
  • リカバリー睡眠中にペプチドホルモンの分泌が促進される。

応用と注意事項

医療・スポーツ現場での応用

  • 成長ホルモンは低身長症や筋力低下に対する治療に用いられる
  • EPOは貧血治療薬として使用される
  • ホルモン療法としての利用例が多い

ドーピング問題

  • ペプチドホルモンの中には、スポーツのパフォーマンス向上を目的とした不正使用が問題となっている
  • 世界アンチ・ドーピング機構(WADA)は多くのペプチドホルモンを禁止物質として指定している

関連項目