# ホスファゲン系
**ホスファゲン系**とは、短時間かつ高強度の運動時にエネルギー(ATP)を供給する、最も即効性の高い[エネルギー代謝](/term/energy_metabolism/)システムである。主に[無酸素代謝](/term/anaerobic_metabolism/)に分類される。
## メカニズム
ホスファゲン系では、筋細胞内に蓄えられた[クレアチンリン酸(PCr)]を用いて、すばやく[ATP](/term/atp/)を再合成する。以下の反応が主である。
ADP + PCr → ATP + Cr
この反応は酵素「クレアチンキナーゼ」によって媒介され、筋収縮に必要なATPを瞬時に供給する。
## 特徴
- 活動開始直後(0〜10秒)の高強度運動で主に働く
- 酸素を必要としない([無酸素代謝](/term/anaerobic_metabolism/))
- 速筋線維([速筋線維](/term/fast_twitch_fiber/))で活発に利用される
- ATPとPCrの貯蔵量が限られているため、持続時間は非常に短い
## 主な運動例
- 短距離ダッシュ(100m走)
- ウェイトリフティングの1RM
- ジャンプ、投擲、短時間のスプリント
## 回復
ホスファゲン系で消費されたPCrの再合成には酸素が必要となる。そのため、運動後の[有酸素代謝](/term/aerobic_metabolism/)によって回復が行われ、完全な回復には3〜5分程度を要する。
## トレーニングとの関係
高強度かつ短時間の運動を繰り返す[高強度運動](/term/high_intensity_exercise/)や、[スプリントトレーニング](/term/sprint_training/)によって、ホスファゲン系の能力(ATP-PCrの再合成速度や容量)は向上する。これにより、瞬発的な筋出力の持続時間を延ばすことが可能となる。
## 関連項目
- [ATP](/term/atp/)
- [無酸素代謝](/term/anaerobic_metabolism/)
- [有酸素代謝](/term/aerobic_metabolism/)
- [速筋線維](/term/fast_twitch_fiber/)
- [高強度運動](/term/high_intensity_exercise/)
- [スプリントトレーニング](/term/sprint_training/)